トレーラードライバーってどんな仕事?【要点だけの簡単解説】

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トレーラーの運転手で2児の父です。運送業の経験を活かした情報発信をしていきます。
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トレーラードライバーの仕事は、端的にいえば「事業用貨物自動車」のうち、「けん引貨物自動車」を運転して荷物を集荷・配達する仕事です。しかし、一口にトレーラードライバーと言っても、その車種、業務内容は多種多様。この記事では特例8車種と、代表的な仕事について簡単に解説しますので参考にしてください。

トレーラー(被けん引車)の車種

他の車両(けん引車)によってけん引、運搬される構造や装置を備えた特殊自動車のことをトレーラー(被けん引車)といいます。乗用車でもけん引できる、キャンピングトレーラーなどもありますが、この記事では特例8車種について紹介します。

特例8車種

特例8車種とは分割可能な貨物の輸送に関して、通行する道路ごとに総重量および長さに「特例」が設けられている車両のことです。

特例8車種は、特例5車種と追加3車種を合わせた車両で、セミトレーラー連結車とフルトレーラー連結車に細かく分けられます。総重量36トン(連結総重量44トン)を上限として、トレーラによる分割可能な積載物の輸送が認められます。

トラックと違い、トレーラーは運転席部分と荷台の切り離しが可能。そのため、荷物に合った車種のトレーラーを連結させ、輸送することができます。通行する道路ごとに特殊車両通行許可申請が必要です。

国土交通省関東地方整備局「特殊車両通行許可ハンドブック」より転載

フルトレーラー

コンビニエンスストアで納品している姿を見かける機会の多い、2tトラックの全長が3~4m。それにくらべ、フルトレーラーの全長は最大25mにもなります。大型トラックの後ろにもう1つ荷台(トレーラー)を連結させたような外見で、大型トラック2台分の荷物を輸送できる車両です。

セミトレーラー

一般的に多く用いられているのがセミトレーラーです。セミトレーラーは、運転席部分だけで荷台のない、トラクター(けん引車)と荷台を連結させた車両です。連結時の全長は最大18mで、最大積載量は車種によって違いがあります。

必要な資格

トレーラーの運転には、当然「けん引一種」免許が必要です。しかし、それだけでは運転できません。なぜなら、フルトレーラーもセミトレーラーも、ほとんどのけん引車には最大積載量6.5t以上の大型車両が使われているからです。したがって「大型一種」免許も必要になります。

輸送する荷物や、付帯する作業内容によっては大型特殊免許や危険物取扱者、フォークリフト、玉掛けなどの資格も必要になってきます。

トレーラーの需要

近年、ネットショッピングなどの個人消費が増加しています。しかし、昨今の運輸業界で問題となっているのが、深刻な運転手不足。そのため、一度に多くの荷物を輸送できる、トレーラーの需要が年々、拡大傾向にあります。

日刊自動車新聞2024.1.20 参照

2019年から一般社団法人全国物流ネットワーク協会会員4社(西濃運輸、日本通運、日本郵便、ヤマト運輸)による、フルトレーラーでの共同輸送を関東(神奈川県)-関西(大阪府)区間で開始しています。さらに同年、輸送区間を九州(福岡県)まで伸ばしています。

他にも多くの会社で、トレーラーによる輸送本数を増やしています。高速道路の年間車種別通行台数調査では、NEXCO東日本管内だけでも、コロナ禍前の平成25年から平成30年の5年間で、トレーラー(特大車)が3018台増加しています。このように、トレーラーの需要と共に、ドライバーの需要も高まってくるでしょう。

NEXCO東日本「高速道路の車種別通行台数」参照

トレーラーで輸送する荷物

トレーラーといえば、トラックには積めないサイズの大型の工業製品や大型重機、輸出入に用いられる海上コンテナを輸送する仕事、というイメージが一般的でしょう。ですが、前述のように近年ではトレーラー輸送の需要が高まっています。

ドライバー不足の対策として、多くの会社で行われているのが、「トラック2台で輸送していた荷物をトレーラー1台で輸送する」といった運行の見直し。そのため、郵便物や宅配荷物、飲食物、雑貨など多種多様な荷物を輸送しているのが現状です。

トレーラー特有の仕事内容

それぞれの運送会社によって取引先、扱う荷物が違うため、仕事内容、必要なスキルは全く違うものになってきます。そのうちの代表的な仕事を以下に挙げます。

海上コンテナ

海外に船で輸出入する荷物が積み込まれたコンテナを輸送します。基本的にはドライバーがコンテナ内の製品を触ることはありません。コンテナの積卸もヤード(コンテナの保管場所)の人がフォークリフトでやってくれます。ヤードの順番まち(ヤードごとにルールがあるので注意)と、集配先までの運転が主な仕事です。

大型重機運搬

工事現場などに重機を運び入れる仕事です。重機運搬用のトレーラーは車幅が広く、運搬する重機によっては高さもあるため、運転には細心の注意が必要です。重機もドライバーが自分で運転して荷台にあげ、専用の資材で固定します。そのため、トレーラーの運転スキルに加えて、大型特殊免許と重機の運転スキルも必須。

フェリー・RORO船

トレーラーを海上輸送している、フェリーやRORO船(貨物船)という大型船が、日本各地の港から港を航行しています。その船で各地に輸送する荷物の集荷・配達をするのが運転手の仕事です。

たとえば、東京から福岡向けの荷物をトラックに輸送するとします。東京から福岡まで約1000kmを陸路なら2日かけて運転しなければなりません。しかし、海上輸送ならトレーラーだけ東京港に停泊している船に積み込んで運行終了です。

フェリー業務は飲料水や食品、建材、雑貨など扱う荷物、車種は様々。積卸作業も、パレット卸、手作業によるバラ卸、フォークリフトやクレーンを使うなど、多彩な荷扱いのスキルが必要になります。

スイッチ運行

トレーラーの特性として、けん引車が切り離せるという点があります。その特性を活かし、集荷と配達を別のけん引車で運行したり、長距離運行の際に中間地点でけん引車を切り替える(スイッチ)ことができます。

東京ー大阪間(約530km)を例にします。東京で大阪向けの荷物を積んだトレーラーと大阪で東京向けの荷物を積んだトレーラーが同時刻に出発したとしましょう。中間地点の静岡県浜松市あたりでトレーラーをスイッチし、東京から向かってきたけん引車は東京向けの荷物を配達しに戻り、大阪から向かってきたけん引車は大阪向けの荷物を配達しに戻ることができます。通常の長距離運行なら1泊2日ですが、スイッチ運行なら日帰りが可能になります。

まとめ

トレーラードライバーには高い運転スキルが求められます。ですが、独自の免許取得制度や研修に力を入れている会社が多いので、未経験の人でも始めやすい仕事です。

荷物や運行、作業内容は運送会社によって様々なので、自分に合った働き方ができます。会社のホームページをみても、仕事内容や給与形態など、詳細まではわからないことが多いので、積極的に面接で聞いてみるのがいいでしょう。

トレーラードライバーの仕事は、今後も需要拡大が見込まれ、将来の明るい仕事といえます。

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