運送会社の求人はウソばかり?【掲載内容のウソ・ホント】

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トレーラーの運転手で2児の父です。運送業の経験を活かした情報発信をしていきます。
・4t乗務歴2年
・10t長距離3年
・運行管理者、営業所長5年
・トレーラー乗務歴10年

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結論から言うと、運送会社の求人にはウソの内容が多く含まれています。ですが、すべてウソということではありません。何がホントで、何がウソなのか。それを見抜くポイントについて解説します。

はじめに

私は過去に営業所長として求人を掲載し、年間20人以上面接してきました。ブラック企業でなくとも、運送会社は拘束時間が長くなりがちで、休日も不定期だったりします。なので、どこの会社も何とかいいことを言ってアピールし、応募を増やそうとします。その中で自分の会社だけが正直に、「うちの会社は長時間労働をさせます。仕事はとてもハードです。」なんて掲載しても応募は一件もきません。

応募がなくて困るのは求人情報会社も同じで、他の地域の担当者や別の媒体より少しでも多くの応募、採用につながるように、様々な提案をしてきます。担当者と試行錯誤した結果、求人の内容と実際の勤務時間、休日などにズレやニュアンスの違いが生じてきます。

勤務時間のウソ・ホント

例えば、8時~20時の勤務だと、拘束時間は12時間ですが、集荷と配達の間に長く休憩や待機がある場合、実働8時間、という掲載内容になります。

ホント

定期便、ルート配送は時間が決まっているので、そのルートに欠員が出た場合、実際の勤務時間が掲載されています。

ウソ

短い時間で終わるルートの時間を掲載し、実際には別のルート、別の仕事をさせます。また、定期便の仕事が終わり、会社に戻ってから別の仕事をさせることもあります。

長距離や日によって仕事内容がかわる不定期、フリーの場合は掲載内容はほとんどアテになりません。その日の交通量や仕事内容によって時間が違ってきます。

仕事内容のウソ・ホント

「バラ積みなし!とても楽な仕事です!」という売り文句をよく目にしますが、これもウソの可能性があります。そもそも「バラ積みなし」が必ずしもいいことではありません。

ホント

カゴ台車で荷物をまとめたり、パレットのまま積み卸しする仕事であれば、バラ積みはありません。

ウソ

バラ積みの仕事もやっている会社では、担当運転手の休日の都合上、交代でやらされることもあります。

トラックの積み卸しはパレットやカゴ台車であっても、取引先によっては、その荷物を運転手が手作業でまとめたり検品する場合があるので注意。

パレット積のデメリット
  • 運転手にフォークリフトでパレットの積み卸しをさせる取引先もあります。高額な荷物事故、人身事故を起こすリスクがある上、荷待ち時間が長くなります。
  • バラ積みにくらべ、積載率が落ちるので、運賃(給料)が安いことが多いです。運賃が多少よかったとしても検品作業や荷待ちで、時間が長くなれば、時給換算すると低賃金になることも。

休日の注意ポイント

休日の欄にも事実とは異なる内容が掲載されています。「週休2日、年間休日◯◯日」など、掲載内容のどこに注意すべきか。いくつか例にしてみます。

確実に土日、または週2日休みたい人は、会社が土日全休にしているところを選びましょう。土日休みの便がなくなったり、別の便に配属されれば休日も変わってしまいます。

数年前までは年間休日80日という掲載も少なくありませんでしたが、それでは応募がこないため、近年はほとんど見かけません。働き方改革の企業努力や、掲載内容に試行錯誤しているようです。参考までに、私が以前勤めていた会社は年間休日60日でした。現在は90~100日程です。

厚生労働省の調査によると、令和5年度の全業種、年間休日数は平均110日。運輸業の有給取得日数が平均を下回っていることと、平成29年の業種別調査で運輸業の年間休日数が106日だったことから、令和5年度年間休日数も平均以下であると予測できます。「運輸業」には鉄道、航空会社、旅客なども含まれるため、運送会社はさらに低水準と考えられます。

つまり、年間120日休める会社はごく一部で、それは運送会社に限ったことではありません。会社としては週休2日、年間休日120日を予定していても、繁忙期に休日出勤をお願いすることもあります。その結果休日が掲載内容と違ってきてしまいます。なので、掲載内容をあまりあてにせず、有給取得実績も含め、面接時にしっかり確認しましょう。

朝7:00に退勤し、翌日の夜7:00出勤だと、36時間空くのでその間は休日あつかいになります。

休息9時間+24時間=33時間=休日

※休息時間とは、会社から拘束されない時間のこと。退勤してから出勤するまで9時間以上空けなければならない。(2024年4月改善基準告示)

厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況」より転載

担当車両のウソ・ホント

乗り回しが嫌な人は、運転手1人に1台の担当車両があるかどうか確認しましょう

ホント

在籍している運転手が辞めるため、その日まで先輩運転手の横乗りで研修し、辞めたタイミングで担当車両を任せられます。

ウソ

在籍している運転手の休み交代要員にするつもりで募集しているため、車両の空き予定は無し。研修が終わり、独り立ちしてからも先輩運転手の空き時間や休みの人の車両を使わせてもらい、毎日違う車両で仕事をすることになります。

「業務拡大のため急募!」などの求人で、新車の納車待ちの場合は、予定がわかりづらく、いつまでも横乗り研修をさせられることもあるので注意。

まとめ

以上のように、求人の掲載内容にウソを載せている会社があります。すべてに共通する対処法として、重要なことは面接時に質問し、「具体例」をあげてもらうことです。

質問例

・1日の流れを具体的に説明していただけませんか?

・残業手当や歩合が月平均どれくらいになるのか、給料の内訳を教えてください。

会社としても入社後のトラブルは避けたいので、正直に答えてくれます。

不安なことがあれば納得できるまで説明してもらい、その会社が自分には合わないと感じたら無理せず後日、電話で自分からお断りしましょう。

運送業の仕事は就業時間、扱う荷物、車種など会社や取引先によって多岐にわたります。そのため、会社の「ウソ・ホント」を見抜けさえすれば、自分に合った働き方が必ず見つかります。積極的に多くの会社で面接を受けてみてください。

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